症例紹介 CASE

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外耳道の精査

院長の橋本です。

 

梅雨時期から夏にかけて耳の疾患が多いです。アレルギー体質のあるワンちゃんにとっては年中悪い場合もあります。

検査の方法、耳の洗浄方法、治療方法など各動物病院でも様々です。

 

オトスコープという機械を用いると、耳道と鼓膜までの精査が可能です。もちろん、病気で耳道の閉塞気味のワンちゃんや元々耳道が扁平化し細い短頭種(フレンチブルドッグなど)では難しい場合もあります。

 

機械が2種類ありまして、

①一つは全身麻酔をかけて、精査と可能であれば鼓膜の手前までの洗浄をするものです。カテーテルや鉗子を用いた処置が可能です。

②もう一つは診察室で簡易的に見るだけのもので、写真は②です。

 

①麻酔をかけた処置

目的としては、

あくまで『今の外耳道の状態がどのようになっているか、見る!』ことです。

 

あわよくば『鼓膜直前まできれいにし点耳薬を投薬すること』

そして『正常な上皮運動が再開し耳内を自動的にきれいに保てる』のができるかも???

 

までが期待される目的です。

 

しかし、耳にもよりますが 洗浄・精査に片方の耳で1時間半くらいかかることもありますし、必ずしもオトスコープをしたからと言って、その後良くなるとは言えません。

 

また、すでに外耳孔・垂直耳道(つまり耳の入口)の閉塞が起きている耳に関しては、検査不可です。

水平耳道と中耳内の精査にはCTなど高度画像検査が必要となります。内耳につきましては画像検査でも難しい場合が多いです。

 

②無麻酔での検査

目的としてはほぼ同じなんですが

『診察室内で飼い主様と一緒に外耳道を見てもらうこと』です。

その場での処置や洗浄はできないですし、耳を触らせてくれない犬はオトスコープを嫌がり

うまくできないことは多々経験します。

 

洗浄前や洗浄後にささっと短時間なら受け入れてくれる犬も多いです。

また録画が可能ですので、検査後にパソコンの画面で飼い主様と見直してお話ができます。

 

何度洗浄しても抜けた毛や耳道内の汚れが残り、細菌感染の温床になっているケースも多いですので

その場合は一度麻酔をかけて精査・洗浄してみませんかなどと相談させていただいています。

 

比較的きれいな耳

外耳道の奥に鼓膜とつち骨(耳小骨)の確認ができます。
必要な方はダウンロードして視聴してみてください。無音です。
正常耳.mp4
MP4動画/オーディオファイル 4.2 MB

 

細菌性外耳炎でひどい耳

カテーテル洗浄しても外耳道の肥厚(腫れ)がひどく、奥までうまく精査できなかった耳です。
必要な方はダウンロードして視聴してみてください。無音です。
外耳炎.mp4
MP4動画/オーディオファイル 14.3 MB

 

あくまで当院で行っている診断・治療を元にしています。

ご参考にしていただけたら幸いです。

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