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猫の尾側口内炎(閲覧に関して:抜歯写真あり)

院長の橋本です。ホームページをリニューアルしてから、毎月ブログを更新するつもりでいますが

毎月何を書こうか、かなり悩んでいます。。。

 

11月も投稿してみます。

 

猫の口内炎です。

猫は口内炎や歯肉炎、歯の痛みなどですぐにご飯を食べなくなってしまいます。

特に『尾側口内炎』というのになると口を動かすのも出来なくなってしまい体重もどんどん減ってきます。

口峡部とも言われている場所の炎症です。

 

 

 

 

 

 

(引用)イラストでみる猫の病気 講談社

 

原因は歯垢やウイルスなど様々言われていますが、実は『原因不明』である猫が多いです。

歯磨きなどのデンタルケア、サプリ、抗生剤、ステロイドなどなど、いろいろな治療をしてもよくならないケースが多く

どういったわけで良くなるかもわかっていませんが、全臼歯抜歯、もしくは全顎抜歯が効果的とされています。

もちろん、抜歯をしてもよくならない猫も少数でいます。

しかし、だらだらとステロイド治療をしてもあまりよくならないことが多く、スケーリングをしても思った効果が出ず

そのような猫ちゃんにはまず全臼歯抜歯をおすすめしています。

全臼歯抜歯により、飛躍的に食欲がアップし体重がみるみる増えた猫ちゃんが最近2頭いたので写真を投稿したいと思います。

 

①まず一頭目の猫ちゃんです。この子は8歳くらいですが、何年も口の痛みに苦しんでいました。

 

 

 

 

 

猫ちゃんは大きな奥歯が上あごに2本、下あごに3本あるのですが、

まとめて一気に抜歯します。抜歯手技については写真が大変痛々しいため、割愛します。

抜歯をすると以下になります。ポイントは歯が折れないように抜歯すること、歯根と歯根膜を取り残さないことです。

 

 

 

 

 

数週間後に確認して以下になっていました。口腔内の炎症が認められなくなっています。

食欲もばっちり戻りました。

 

 

 

 

 

 

②2頭目の猫ちゃんです。

毎週、歯磨きと口に塗る薬のために来院頂いていましたが、口が痛すぎてフードを食べなくなり体重が徐々に減っていました。

 

 

 

 

 

抜歯後の口腔写真です。手技は割愛しますが、ポイントは歯根と歯根膜を取り残さないことです。

 

 

 

 

 

数日後にはよく食べるようになり、1か月後には体重が1kg増えていました。

 

 

 

 

 

歯が無くなっても、キャットフードは飲み込んで胃内で溶けて食べる事が出来ます。

歯が無いのはかわいそうと思うかもしれませんが、

歯があることで歯垢が付いて、歯肉炎・歯周病になるリスクが上がり、口が痛くて食べれなくなってしまいます。

難治性口内炎で悩んでいる方は歯の処置を考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

あくまで当院で行っている診断・治療を元にしています。

ご参考にしていただけたら幸いです。

 

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